【仏壇移動・引越し】線香の香りで思い出す、あの人とあの部屋

お仏壇の移動、引っ越し、仏壇旅日記。ご先祖様のお引っ越しをお手伝いしながら巡る心の旅の記録

 
日本全国でご家族の想いや歴史に触れながら巡る心の旅。ご先祖様のお引っ越しのお手伝い。仏壇引っ越し・移動専門『仏壇旅お守り便』の原田です。

 

線香の香りで思い出す、あの人とあの部屋

ふとしたときに香る、お線香の匂い。
その瞬間、時間が少しだけ巻き戻るような感覚になること、ありませんか?

このお仕事をしていると、お仏壇を運ぶたびにその香りに出会います。
お仏壇の部屋やお仏壇に近づいた瞬間。何十年も家族に大切にされてきた空間から、ふわっと立ち上るあの香り。

先日、築60年近くの一軒家にお住まいのご家族の仏壇引越しをお手伝いさせていただいたとき、仏壇のある和室には、年季の入った座布団と、手入れの行き届いた仏具が並んでいました。
 
娘さんが「この部屋は母が毎朝座ってた場所だから、お線香の香りがするとまだそばにいるような気がして…」
とおっしゃってました。

 

作業の手を止めるわけにはいきませんが、その言葉がなんだか胸に残って、新居の仏間に仏壇を運び入れたあとも、私の中にあの香りが残っていた気がします。

 
 

香りは、記憶とつながっている。

脳の中で、香りの記憶は感情と強く結びついていると言われています。
だからこそ、あの香りをかぐだけで、一気に思い出があふれてくる。

「線香の香り=誰かを想う時間」

ご依頼いただくご家庭の数だけ、そうした“あの人とあの部屋”があると感じています。そしてそれが仏壇という空間の持つ“ちから”なんだと思います。

 
 

私にとっての“あの部屋”は、祖母の家の仏間でした。

畳の匂い、少し古びた襖、障子越しに差し込むやわらかな光。
そして、いつも真ん中に座っていた祖母の背中。朝になると祖母は、静かに仏壇の前に座ってゆっくり線香に火をつけ、手を合わせていました。

「煙がまっすぐ立つ日は天気がいいんよ」

そう言って、祖母は笑っていました。
私はその横で、まだよく意味もわからないまま手を合わせて、なんとなく“ここが大事な場所なんだ”と感じていました。

そして今でも、あの線香の香りをかぐと、一瞬であの部屋に戻ったような気がします。

  
 

あなたにとって、線香の香りは誰を思い出す香りですか?

祖父母や両親、昔一緒に過ごした家族の記憶。仏壇は単にお祀りの場所というだけでなく、思い出と再会できる場所なのかもしれません。

今日もどこかで、静かに立ちのぼる線香の煙が誰かの心に、やさしい時間を運んでいますように。

 

ちなみに、最近は「白檀」や「沈香」だけでなく、バラ・ラベンダー・お茶など、いろんな香りのお線香があるんです。
「香りから思い出をつくる」という視点で選ぶのも素敵かもしれません。

 

 

 

 

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